猫の心筋症は、心臓の筋肉(心筋)に異常が起き、全身への血液供給が滞る病気です。猫に最も多い心臓疾患で、特に「肥大型心筋症」がよく知られています。
原因としては、メインクーンやラグドールなどの純血種における遺伝的要因が指摘されていますが、多くの場合は原因不明(特発性)です。また、甲状腺機能亢進症や高血圧が心筋に負担をかけ、二次的に心筋症を引き起こすこともあります。
治療につきましては、すでに何らかの症状が出ている場合は、強心剤、血管拡張剤、利尿剤、抗血栓薬など症状に合わせて対症療法を行います。
そして、基本的に、心エコー(超音波検査)などで異常が見つかっても、症状が無い場合は、進行を遅らせる化学薬品が存在しない為、経過観察として治療を行いません。
しかしながら、近年アメリカで、猫の心筋症治療薬として、症状が無い早い段階から使用でき、肥大型心筋症(HCM)の進行を遅らすことができる新しい治療薬が登場しました。
ラパマイシン(一般名:シロリムス、製品名:Felycin-CA1)
概要: 猫の肥大型心筋症(HCM)の治療を目的とした新薬で、心室肥大の改善を目指す根本的なアプローチとして注目されています。
承認状況: 米国食品医薬品局(FDA)は、非臨床的(無症状)HCMによる心室肥大を呈する猫への使用を条件付きで承認しました。これは、この疾患に対する初の承認薬となります。
投与方法: 通常、週に1回、経口投与。
注意点: 肝疾患や糖尿病のある猫には使用しないで下さい。
日本での状況: 2026年3月現在、未発売。
日本での発売が待たれます。